- 「いくら英語を聞いてもリスニングが伸びない」
- 「効率よくリスニングを上達させる方法は無いかな」
そんな疑問や不安に対して記事を書きました。
英語を単に聞き流すだけではリスニング力は向上しませんし、ペラペラにもなりません。
特に初心者の頃は何度同じ英会話を聞いても聞き取ることが出来ず、リスニング力がなかなか向上しません。
リスニング力を向上させるために大切なことは以下になります。
- リスニングのメカニズムを知って、リスニングが出来ない原因を突きとめること
- 自分の課題にあった対策をすること
- 対策が出来たら精聴を繰り返して、多聴すること
英語のリスニング力が向上しない!聞き取れない原因を突き止める
英会話を聞き取る能力=リスニング力を向上させるための最初に取り組むべきは、自分がなぜ聞き取ることが出来ないのか?という原因を突き止めることです。
聞き取れない原因は以下のようなものが挙げられます。
- 英語の発音に慣れていない
- そもそも単語や熟語を知らない
- ネイティブスピーカーの速さやアクセントについていけない
他にも原因があるかもしれませんが、最初に行うべきはあなた自身がなぜ聞くことが出来ないのかということを突き止めてみて下さい。
原因を突き止めることがリスニング力向上に向けた最初の行動になります。
英語のリスニング力が向上しないのは脳のメカニズムを理解していないから
「原因を突き止めると言っても、ケースバイケースで何が原因かわからないよ~」
私もそうでしたが、初心者の頃はそもそも英語を聞いても「何が分からないかも分からない状態」でした。
リスニングを行っているときの脳内の処理を理解すると、原因の把握がしやすくなります。
リスニングを行っているときの脳の処理を簡単に説明すると
- 音声知覚
- 意味理解
の2つに分かれます。
「四文字熟語でなんだか難しい、、」と思われるかもしれませんが、
・音声知覚は「耳に聞こえてきた英語の音に対して、その音がなんという単語かを自覚する処理」です。
例えば「ドッグ」という音を耳で聞いて、その音をもとにあなたの記憶の中にあるデータと照合し、それが「dog」であるという音のデータを取り出します。
・意味理解は「音声知覚した単語の意味を理解する処理」です。
意味理解はその名の通りなので分かりやすいですね。音声知覚した「dog」という単語が「犬」であるということを理解することになります。
すなわちリスニングが出来ない原因は
- 音声知覚が出来ていない
- 意味理解が出来ていない
この2つになります。
このことが分かっていると、あなた自身が英会話をリスニングするとき、何に注意してトレーニングすればいいかが分かってくると思います。
「音が聞こえてもそれが何の単語かわからない」という方は音声知覚が課題ですし、「会話に出てくる個別の単語は頭に浮かぶけど会話の内容が分からない」という方は意味理解が課題となります。
二つの課題に対しては対策も全くことなります。
音が聞こえてもそれが何の単語かわからない場合、すなわち音声知覚に対しては
- 単語の音に関するデータが不足している
- 音を聞いてからデータを検索し、一致させる一連の処理に時間がかかっている
などが課題となり対応していく必要があります。
「単語の音に関するデータが不足している」点に関しては、発音を勉強することで大きく改善されます。
このサイトでも紹介している英語耳、単語耳などの教材を通じた学習をすることで短期間に改善されます。
「これから英語を始めるぞ」と考えている初心者の方は独学で勉強を始めることをおススメします。 独学では英語の基礎力をしっかりつけて欲しいと思います。 基礎となるのは 発音 中学校レベルの英文法 リスニング[…]
会話に出てくる個別の単語は頭に浮かぶけど会話の内容が分からない場合、すなわち意味理解に対しては
- 単語や文法、熟語、慣用表現などのデータが不足している
- 単語や文法、熟語、慣用表現などのデータを検索し、一致させる一連の処理に時間がかかっている
などの課題となり、対応していく必要があります。
「単語や文法、熟語、慣用表現などのデータが不足している」ことに関しては、リスニングの学習を通して覚えていくのが一番の近道です。
聞いた英語を理解するスピードを上げるために
発音の練習や単語、英文法の学習を通じて音や意味が理解できてくれば、次に行うのは処理時間を短くすることです。
英語を「英語の語順」で理解する練習をする
初心者の頃に私も良くやっていたのは、聞いた英語を丁寧に「和訳」して意味を理解しようとしていました。
英語と日本語の文法は大きく異なることから、学校のテストに回答するときのように和訳をしてしまうと、英語が流れてくる順番通りに理解できなくなります。
どういうことかと言うと、次の例文:
I am going to go to the book store to buy some books.
これを真面目に和訳すると「私は本を何冊買いに本屋さんへ行くところです」となります。
リーディングならまだしも、目の前に文章が無いリスニングの場合、
I am going to 「私は○○するところだ」
go to the book store「本屋さんに行く」
to buy some books 「何冊かの本を買いに」
と聞いた後で、改めて日本語の文法として正しいように並べ替えてしまうと
「えーと、私は本屋さんに、あ、私は何冊かの本を買いに行くつもり、、あ、本屋さんに・・」などと考えていると、英語はどんどん流れてついていけなくなってしまいます。
意識するべきなのは、
「なんとなく言っている意味が分かればよい、いちいち和訳する必要は無い」ということで、もっと言えば
「英語を英語のまま理解し、なんとなく意味が分かればよい」ということです。
英語を読み上げる「音読」が処理速度を上げる
英語を英語の順番のまま理解するには「音読」をすることが効果的です。
「音読」に関しては説明不要かと思いますが、「英語を声に出して読む」ことです。
音読を書かれている英文をそのまま読み上げるので、英語の語順のまま前から後ろまで読み進める必要があります。
なので、日本語へ和訳するようなプロセスが取れません。
音読をすることで強制的に和訳のように後ろから訳すような状況を作れなくしてやります。
音読トレーニングを行う上で大切なことは、無理に難しい英文を使わないということです。
英語の語順で読み上げながら意味が理解できるものを選択しましょう。
おすすめの教材は「英会話・ぜったい音読シリーズ」です。
出来ることならこのシリーズの入門編から愚直に取り組んでみてください。
中学校1年生レベルの英文から入りますが、意外と真っすぐ英語の順番通りに読んでもその場で意味が理解できぬまま進んでしまっていることに気づくはずです。
何度も繰り返し読み上げて、最初から最後まで読んでいる最中に意味が理解できはじめるとリスニング力が一気に向上します。
音のつながりなど発音トレーニングを通じて学び、単語や熟語、文法をブラッシュアップしていきましょう。
音読で英語のまま理解する処理ができ始めると、驚くほどリスニング力が向上します。
英語のリスニング力を向上させたいなら聞き流しはダメ
ある程度リスニングの基礎が出来たら、大量の英語を聞くようにします。
おすすめの教材はアルクの「1000時間ヒアリングマラソン」です。
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政治や経済、社会問題といった硬いテーマだけでなく、芸能にドラマ、映画などテーマが豊富で聞いていてあきません。
毎月、送られてくるのが楽しみになります。
英語を大量に聞くときに大切なのは、聞き流すことなく出来る限りしっかり耳を傾けて聞く「精聴」が重要です。
聞き流す英語はただのBGMです。洋楽が好きで大量の洋楽を聞いてもリスニング力は上達しないのと同じで、会話やナレーションの中身に意識を向けなければ、いくら聞いても成長しません。
可能な限り意識を英語の中身に向けて下さい。
一通り精聴が終わったら、「多聴」を行って下さい。多聴もやはり聞き流すことでは無く、意識を会話の中身に向けながら、様々なテーマの英語を聞きまくることになります。
このレベルまで進んで、都度分からない単語や熟語、文法を抑えておくと、TOEICのリスニングセクションでかなりの高得点を取れるレベルになっていると思います。
英語のリスニング力が向上しない!-まとめ
英語はただただ聞いてもリスニング力は向上しません。
最初に取り組むべきはリスニングの処理過程を理解し、リスニングが出来ない原因を突き止めることが大切です。
そのうえで自分にあった課題に対して対策を行います。
「音声知覚」に課題がある方は、単語の音を発音トレーニングを通じて学び、「意味理解」に課題がある方は語彙力、文法力を並行して学習するようにして下さい。。
また、聞いてから理解するまでの処理時間に課題がある方は、音読を通じて英語を英語のまま理解する練習を繰り返して下さい。
一連のリスニングの基礎がある程度出来たら、教材を活用して英語のシャワーを大量に浴びて下さい。
ただ聞き流すだけでは無く、意識を向けてしっかり聞く「精聴」が大切です。
精聴の次は「多聴」を行うことで、あなたのリスニング力は驚くほどに上達します。
英語が聞けない、理解できないと悩んでいたことが懐かしく感じるくらい、成長を実感することが出来ます。